日蓮(にちれん)は、鎌倉時代中期に日蓮宗(法華宗)を開いた僧侶です。安房国(現在の千葉県)の漁師の家に生まれたといわれ、比叡山などで学んだ後、独自の教えを確立しました。
日蓮の教えの最大の特徴は、「法華経(ほけきょう)」こそが最高の経典であるとし、「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」という題目を唱えることで、個人だけでなく国全体が救われると説いた点です。
当時、相次ぐ地震や飢饉に加え、北条時宗が執権を務めていた幕府にはモンゴル帝国(元)からの圧力がかかっていました。日蓮は幕府に対し、『立正安国論(りっしょうあんこくろん)』を提出。「正しい仏法(法華経)を信じなければ、国内で反乱が起き、外国から侵略を受ける(他国侵逼)」と強く予言しました。
この過激とも言える直言により、幕府や他宗派から激しい弾圧を受け、伊豆や佐渡への流罪、さらには処刑されかけるという数々の難に遭いました。しかし、1274年の文永の役によって彼の予言が現実のものとなると、その存在感はさらに増すこととなりました。晩年は身延山(山梨県)に久遠寺を建て、教えの完成に捧げました。