紫式部(むらさきしきぶ)は、平安時代中期に活躍した女流作家・歌人です。父は学者の藤原為時で、幼い頃から漢籍(中国の書物)を読みこなすほど聡明でした。
彼女は、摂関政治の全盛期を築いた藤原道長の娘である藤原彰子(しょうし)に家庭教師役として仕えました。宮中での出来事や彰子の出産の様子、当時の人間関係などは『紫式部日記』に詳しく記されています。
紫式部の最大の功績は、世界最古の長編小説とも言われる『源氏物語(げんじものがたり)』を執筆したことです。主人公・光源氏の華やかな生活や苦悩、その子孫たちの物語を全54帖(じょう)という膨大なスケールで描き、当時の貴族社会に大きな衝撃を与えました。
遣唐使の廃止後に発展した国風文化(こくふうぶんか)において、かな文字を駆使して心理描写を細かく描いた彼女の作品は、日本文学の最高峰として現在も世界中で読み継がれています。