法然(ほうねん)は、鎌倉時代初期に活躍した僧侶で、浄土宗(じょうどしゅう)の開祖です。
平安時代末期、1156年の保元の乱や1159年の**平治の乱**など、相次ぐ戦乱や飢饉によって社会は混乱していました。当時の仏教は、厳しい修行や多額の寄付ができる貴族のためのものでしたが、法然は「阿弥陀仏を信じ、ただ『南無阿弥陀仏』と唱えれば、誰でも死後に極楽浄土へ行ける」という**専修念仏(せんじゅねんぶつ)**を説きました。
この「簡単で、誰もが救われる」教えは、生きる希望を失っていた民衆や、殺生を避けられない武士たちの間に爆発的に広まりました。しかし、これまでの特権を奪われることを恐れた比叡山などの旧仏教側からは激しい弾圧を受け、晩年には流罪(るざい)に処される苦難も経験しました。
彼の精神は、弟子の親鸞(浄土真宗の開祖)らへと受け継がれ、鎌倉新仏教という新しい文化の大きな流れを作ることとなりました。