世阿弥(ぜあみ)は、室町時代に活躍した俳優であり劇作家です。父・観阿弥(かんあみ)とともに、それまでの「猿楽(さるがく)」を、歌と舞を中心とした洗練された舞台芸術「能(のう)」へと進化させました。
少年時代、その類まれな美しさと才能を第3代将軍・足利義満に見初められ、多大なバックアップを受けました。義満の死後も創作活動を続け、演劇の理論書である『風姿花伝(ふうしかでん)』を執筆。その中で「初心忘るべからず」という有名な言葉や、観客を魅了する力を「花」と表現する独自の美学を残しています。
しかし、晩年は第6代将軍・足利義教(よしのり)の怒りに触れ、佐渡島へ流されるという苦難も経験しました。そうした逆境の中でも芸術を追求し続けた世阿弥の姿勢は、日本文化の精神的な柱の一つとなっています。