親鸞(しんらん)は、鎌倉時代に活躍した僧侶で、浄土真宗(じょうどしんしゅう)の開祖です。
彼は比叡山で20年もの厳しい修行を積みますが、自分自身の迷いを消すことができませんでした。そんな時、法然に出会い、彼の弟子となります。師匠の法然が「ただ念仏を唱えれば救われる」と説いたのに対し、親鸞はその教えをさらに突き詰め、「阿弥陀仏の力を100%信じること(他力本願)」を強調しました。
特に有名なのが「悪人正機(あくにんしょうき)」という考え方です。これは「善人でさえ極楽へ行けるのだから、自分を弱い人間(悪人)だと自覚している人が救われないはずがない」という意味です。この教えは、自分たちを「悪い存在」だと思い込んでいた農民や商人の間に爆発的に広まりました。
親鸞はまた、僧侶でありながら結婚して子供を育てるなど、「肉を食べ、妻を帯びる(非僧非俗)」というスタイルを貫き、人々に寄り添って生きる姿を示しました。彼の没後、弟子たちによって『歎異抄(たんにしょう)』などの名著がまとめられ、浄土真宗は日本最大の仏教教団の一つへと発展していきました。