雪舟(せっしゅう)は、室町時代に活躍した禅僧であり、日本史上最も有名な水墨画家(すいぼくがか)の一人です。墨の濃淡だけで自然の奥行きや生命力を表現する「水墨画」を、日本独自の芸術として完成させました。
もともと京都の相国寺で修行していましたが、本場の画法を学ぶために明(当時の中国)へ渡りました。中国の広大な風景や、当時の最先端の画技を直接学んだ雪舟は、帰国後、単なる模倣ではない、日本の風景に合わせた力強い構図の作品を次々と生み出しました。
彼の活躍した時期は、8代将軍・足利義政が中心となった東山文化(ひがしやまぶんか)の時代です。禅宗の精神を反映した簡素で深い美しさを尊ぶこの文化において、雪舟の水墨画はまさにその象徴といえる存在でした。
代表作には、国宝の『秋冬山水図(しゅうとうさんすいず)』や『天橋立図(あまのはしだてず)』があります。彼の描いた庭園も全国に残っており、後の日本の美意識に計り知れない影響を与えました。